相模大野に行く。
O矢君の命日だから。
いっしょにM子と駅で待ち合わせ。
また、M子は遅刻。
O矢君とM子は大学時代からの友人。
いま、県立高校の先生している。
わたしとは25年来の友人だ。
いつもO矢君のうちに行くとき、
彼女の乗ってる小田急線が停まるんだ、ふしぎ。
だから30分遅れで到着。
一年ぶりに会う奥さんは元気そうでよかった。
こどもたちもすくすく成長している。
2年生のぼくは学研に通い九九のおけいこ。
お寿司をごちそうになる、
なんでこんなにうまいものが世の中にあるのか、
日本の文化を堪能する。
関さばってどうしてあんなにおいしいの?
ちょっとほろ酔いでお線香をあげる。不謹慎だなあ。
仏壇は2階にある。わたしが素人のお経をあげる。
三回忌の法要をやってないので
ちょうどよかったみたい。
奥さんもこどもたちもM子も同席。
法華経をすこしかじりお焼香。
と、ふしぎに身体がかるくなる。
お風呂上りみたい。奥さんもM子も同様に、
とてもすっきり、すがすがしくなっている、という。
「家の空気が軽くなってます」
と奥さんはあたりを見渡す。
えー。法華経、すごいな。こんなことはじめて。
O矢君が(43歳で)亡くなってから、
家の電気がかってについたり、電化製品が壊れたり、
こどもを夜叱っていたら、電話が鳴ったり、
(無言電話が鳴ったらしい。
それもナンバーディスプレーにはだれからという表示がでなかったそうだ)
どうみてもお父さんの存在をしめす信号がでている。
やっぱりO矢君まだいるんだな。
ずいぶん長いこと居座って、
9時ごろおいとま。家族総出でお見送り。
駅までふたりで歩く。
「こどもかわいいね」とM子。
「三人もいるじゃん」
「え、もっと欲しい!」
M子はざんねんながら離婚している。
だからというのではないが、
わたしは彼女を横目でみながら、
「そう、しかたないなあ」