Menu

お得なアプリでクーポンGet!

店舗案内

つぶやき

ツィッター、いまのXというみょうなものができて、
勘違いのバカをずいぶん排出させてきた。

 だれでもなんでも発信していいと、
だれが決めたのか。


 文章の存在理由というものは、
ひとをすっかり感心させたり、
ひどくいい気持ちにさせるためにある、
そう語ったのは丸谷才一である。

 「つぶやき」という
ひとを勘違いのルツボにおとしいれる語彙をみつけて、
これにバカが便乗する。


 全世界でそうなった。

 ネット環境の精神的インフラが整わないうちから、
すでにネット社会は、取り返しのつかい方向に
走り始めているのだから、いたしかたないと言えばそれまでである。


 すでに化石化されているミクシィにもつぶやきの
欄が加わった。


 つぶやいてもいいけれども、
つぶやきにはつぶやきのルールと、
ノブレスオブリュージュが付加されることを
ちゃんと理解していないと、
文章を他者に発信することはままならぬ、
ということを肝に銘じてほしいものである。


つぶやきだから、
そこに、とんがった感性があってもいいと
おもいこむのは、それは社会に生きるにんげんとしては、
身勝手な振る舞いと、そうおもいたまえ。

友だちともつきあえず、彼女も彼氏もおらず、
いつも、スマートフォンを恋人のように抱え、
そこに、つばを吐くようにひとことふたこと。

日本というより、世界の終焉はこんなふうにして
しだいに朽ちてゆくのかとおもうと、
いささか気が沈んでくるのである。


と、言いつつ、わたしは、きょうも、
「開店しました」とか、Xでつぶやいている。