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地域教育連絡協議会に出席して

 ことしも地域教育連絡協議会のメンバーになった。

下の娘が小学校5年からだから、すでに15年くらい

委員をしている。

 

 だが、「協議連絡会」とは名ばかりで、

いちどたりとも「協議」をしたことはない。

 

 学校側から「連絡」を受けるだけである。

 

だから、わたしは「地域教育連絡会」という名に

変更したらいいという旨をもうしたことがあったが、

もちろん一笑に付された。

 

 いま、小学校ではIT化がすすみ、すべての

児童にアイパットが配布され、アイパットでの

授業も進んでいるという。

 

 新任の若い校長が、アイパットでの

実績を誇らかに語っていた。

 

もちろん、連絡会だからとうぜんなのだが。

 

じぶんで育てた苗を写メし、みなに見せたり、

すぐにグーグルで調べたり、

グローバル化の波はすでに小学生まで

押し寄せているのである。

 

もちろん、アナログ授業もしっかり行われ、

国語では、読解力の強化として

要約の練習、そして感想文など

盛りだくさんだそうだ。

 

約、一時間の報告がおわり、いよいよ

委員の意見として数分が与えられる。

 

むかしの校長、副校長は「うんうん」相好を崩しながらも

聞き流していたが、いまの校長と副校長は

形骸的かもしれないが、ちゃんとノートに書き留めてくれている。

 

いよいよわたしの番がまわってきたので、

発言した。

 

「デジタル化が進んで、それはメリットも

多くあるだろうし、グローバル化にも適応できるから

アイパット導入の意義ははかりしれないでしょう。

しかし、育てた苗を写メするのはいいけれど、

どんな花だった?  と訊かれたとき、

それを、その子は言葉で語ることができるでしょうか。

デジタル化のメリットもそうですが、

デメリットとして、子どもたちの表現能力は

低下するのではないでしょうか。

それだからこそ、国語の読解力、つまりアナログな

授業も必要だとおもうんです。

そのときに、要約や感想文を書くのもたいせつですが、

要約や感想文と言うはテキストのダウンサイジングでしか

ありません。そのぎゃくに、短いテキスト、たとえば、

俳句とか、たとえば四コマ漫画とか、

その俳句からどんな風景が描けるか、とか

四コマ漫画の三コマめと四コマめのあいだに

どんな物語があるのか、

そういうダウンサイジングの真逆の発想も

国語で取り上げてほしいとおもうんです。

 

それこそが、アナログ的な表現の練習になると

おもいます」

 

と、申し上げたら、同席していたPTA会長も

ひどく同意してくれてうなずいてくれていた。

 

校長も副校長も、ゆっくりうなずいてくれていたが、

協議会とは名ばかりだから、

きっとわたしの陳情もネグレクトされるにちがいない。