マイミクのNさんと話す機会があった。
むかしの音楽の話に花が咲く。
「山田パンダの『風の街』しってます?」
「知りません」
「そうですか、拓郎の作詞作曲で」
「そうなんですか」
「アレンジが瀬尾一三なんですよ」
「あの、一二って書くひと?」
「そうそう、その瀬尾一三さんは、シュガーベーブを気に入ってね、
コーラスをずいぶん頼んだそうです。
ユイ音楽工房の仕事を頼まれたんです。
だから、『風の街』のコーラスは、山下達郎とター坊です」
ター坊というのは、大貫妙子のこと。
「そうなんですか、ちょっとユーチューブで調べてみます。
ね、くもさん、こういう話ゆっくりしましょうよ」
なんて話にわくわくする。
まだ、高校時代は、拓郎、泉谷、古井戸、それに龍と薫だった。
スダコは、当時からSヤイリのものすごくいい音のするギターを持っていたが、
わたしは、グレコのアコギだけ。でも、当時で35000円。
スダコのヤイリは、当時で16万円だった。
かれのギターはまだ健在で、いまもマーチンコピーの
すこぶる良質の音を奏でている。
Nさんと、こんどカラオケねって約束をするのだが、
なんだか、雨が空から降れば、とか、翼をくださいとか、
それをギターで練習しておけ、というミッションが出された。
だから、わたしは、こんな夜更けにヤマハLD-10を抱えている。
いまは亡きヤマハのアコギ、買えば当時で6万円、いまなら10万するかな、
でも、たいしたものじゃない。
泉谷の「義務」
♪きょう、だけは人間らしくいたいから
デモの列に歩いてくるよ、陽気にね
と、言うと、女房はこどもをあやしながら・・・
これは、高校時代は、女房だの子供だの、そんなの
いないから、歌うのにはばかった。
が、いまはどうか。女房はいるにはいるが、すでに、
子供はふたりも嫁いでしまって、この歌とはかけはなれている。
古井戸の歌「年の瀬」
♪しまい忘れた 風鈴がひとつ
冬の中で泣いてます
今年も暮れるんです
・・中略・・
これ以上 やせないように
これ以上 減らないように
これ以上 しゃべりすぎぬように・・・・
あ、だめだめ、でぶなんだから、身にそぐわない。
五つの赤い風船「遠い世界に」
♪ボクらの住んでる
この街にも明るい太陽顔を見せても
心のなかはいつも悲しい
力をあわせて生きることさえ
みんな忘れてしまった
だけどボクたち若者がいる・・・
いや、だめだ。若者でない。
なんだい、けっきょく、むかしの歌を歌うようなじぶんは
どこにもいないじゃないか。
とほほ