3.11からずいぶんと日が経った。
あのときのことをおもうと、電気ひとつをつけるのにも
近所を気にしたし、世の中がすっかり昏くなった。
テレビも、オシム監督と、どこぞの女優の病気のはなしばかり。
「エイ・シ~」がやけに耳についた。
そんなとき、わたしは、どういうわけかやたらと不謹慎な日記を書いていた。
それを下記に掲載。
こんな喫緊の事況に
どんなにんげんも失ってしまうのが「想像力」だ。
原発に携わっている方々は、
それは寝ずの番で、
そのうえじぶんの能力を超す事態に、
生きた心地はしないとおもう。
自然を甘く見ていたかもしれない。
しかし、こういうときにこそ、
壮大な想像力が人類を救うのである。
と、言いつつ、不謹慎ではあるが、
むかしやっていたテレビ番組、
「ご長寿早押しクイズ」のご老人の珍回答、
ああいう飛び抜けた発想が
ひょっとすると、なにかのどうしようもない事態の
解決策を生むかもしれない。
いや、ないな。
問い「サザエさんの弟の名前は?」
老人「さば」
問い「孫悟空が持つ棒は?」
老婆「用心棒」
ブ・ブー
問い「大晦日に食べるものといえば?」
老人2「赤いきつねと緑のたぬき」
ブ・ブー
老人3「赤いきつねとみだらなたぬき」
問い「オードリーヘップバーンが
ローマの休日でスペイン広場で食べていたものは?」
(正解は「アイスクリーム」)
老婆1「わんたん」
ブー
老人2「綿菓子」
ブー
老婆1「味噌おでん」
問い「北極の反対側は?」
老人3「ありません」
ブー
老人2「あります」
問い「レーガン・クリントン・ブッシュといえば?」
老人「カタツムリ!」
問い「西條秀樹の曲、やめろと言われても、その後の
会場の掛け声は?」
老人3「やめるな」
問い「アマゾン川でひとも食うと言われている魚は?」
老人2「ヘルニア」
問い「遠山の金さんの背中にある入れ墨の模様は?」
老人2「さつまいも」
老婆1「無地」
老人3「花子」
問い「英語でアップルとはどういう意味でしょう」
老人3「ふたり」
出題者「それはカップルです」
ふたたび老人3「ふたり連れ」
ブ・ブー
老人2「五人」
問い「日曜日の和田アキ子さん司会の番組、
あっこになんでしょう?」
老人2「あっこに殺される」
老人3「食べられる?」
問い「武田信玄の旗印には漢字四文字が書かれていました、
さて、なんて書いてあったでしょう」
老婆「臥薪嘗胆」
ブー
老人2「心筋梗塞」
ブー
老人3「男女同権」
ブー
老婆「結婚退職」
問い「自動車を運転するとき、道を曲がる前に出さなくては
ならないものはなんでしょう?」
老人「横チン」
問い「スピルバーグの映画で人食い鮫の名前は?」
「ギョーザ」
問い「白雪姫にキスをしたのはだれ?」
「北島三郎」
問い「北斗の拳でケンシロウの胸には七つの何がついているでしょう?」
松治さん「ごはん粒」
コトさん「まぜご飯」
松治さん「五目乳首」
司会者「そうではなくて敵につけられたものです」
正武さん「悪いあだ名」
コトさん「いかしたキャッチコピー」
松治さん「素敵なバスロマン」
司会者「どうしましょう、これ」
松治さん「年寄りは太陽熱で温めよう」
問い「花咲か爺さんの愛犬の名前は?」
老人2「しげる」
ブ・ブー
老婆「しげらない」
ブ・ブー
ふたたび老婆「たま!」
ブ・ブー
ふたたび老人2「さお!」
ブー
ふたたび老婆「ふくろ!」
問い「ダックスフンドはほかの犬より何が長いでしょうか?」
老人「下積み時代」
問い「エジソンが残した名言。天才は99%の努力と1%・・の何?」
松治「水分」
コト「肉汁」
松治「果汁」
司会者「そうじゃくて急に頭に浮かぶものありますね」
正武「うんちく」
司会者「すいぶんすくないうんちくですね」
コト「やっぱり臭みがあるワケだから」
司会者「え」
コト「そこを気をつけなくちゃね」
司会者「なんの話をしてるんですかね」
コト「うんちが硬ければ」
司会者「なんのことかわかりません。ヒラメなんとかって
聞いたことないですか」
松治「あ~、ヒラメのムニエル」
司会者「ムニエルにしないでください」
コト「ヒラメにおびえる」
松治「まぐろにてこずる」
コト「まぐろは大きいからてこずっちゃう」
司会者「え~、なんだったっけ」
コト「怖がっちゃって、他の魚は」
司会者「えっと、そうじゃなくてね、急に頭に浮かぶものありますよね」
松治「うん、だから、結局だきあったんだよね。愛情が入ったんだ」
ただ、疲れたときは、笑うといいのだ。
ベータエンドルフィンが出て、疲労回復になる。
ベータエンドルフィンは体内麻酔ね。
(2011.3.16)
「エイ・シ~」というキャッチコピーが翌々日くらいから消えた。
視聴者からクレームがあったらしい。しかしテレビは、オシム監督と、
どこぞの女優の病気のはなしだけ。そして、さいごは無音。
わたしは、その無音のところで、じつはこっそり「エイ・シ~」と口ずさんでいたのだ。