カイエの編集長から、「花」をテーマに7首つくりなさい、
というミッション。
ネットプリントにするらしい。3号の宣伝もかねて。
編集長の命に応じないわけにもゆかないけれども、
わたしは、花は苦手である。
よくしらないのよ。
ジョギング中に鼻血が出て、なんにもないから、
タンポポを鼻につめたことはあるけれども、
そんなのは歌にはならない。
しかたないので、昔の歌でもなんでもいいから
なんとか集めて、それで、すこし改変して、花の名前を
無理やりいれこんで、
なんとか7首にしてみた。
いや、おはずかしい。
それがこれ。
・ともかくもおれのせいだが木蓮のひそか舗道に待つしかなくて
・死人のあまた埋もれるこの花の周辺ひと肌色にあかるし
・湧くばかり桜のさかり 急行は伽藍の屋根をかすめてゆきぬ
・人の世の岐路とはなにか金文字のひかる位牌を直す 沈丁花
・青年はつくしのようにねむりだす車窓を春の額縁にして
・山百合に触れてるような吐息 うん いまなら秘密のひとつやふたつ
・饒舌はカンパニュラの花 むすびめがほどけずにいるあわき春の夜
「青年は」の歌ね、これはよくわかるけれども、三句切れでかつ「て止め」
これは、わかっててやってるねって、どこからか天の声。
は、は、確信犯であります。はい。
「死人」は「しにひと」と読むんですね。は、はい。
んー、「この花」とは桜ですね。は、はい。
ま、桜と言わないことくらいですかね、よかったのは。は、どもです。
と、天の声ばかりを気にしてはいられない。
カイエ、15号、もうすこしで発刊です。