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菜箸

 さいきん、ティッシュペーパーがばかに廉価になったきがする。
ま、どこぞの王子が100億円使い込んだり、
そいつは、80億円を借財したりで、製紙業界は景気がよさそうだが。

たしか、懲役4年の実刑がでたはず。

(それで4年なら、内柴の5年は重すぎするきもするが)


さてさて、ティッシュペーパーだが、
いま、ほとんどが5個セットで売っている。
ありがたいことに、おんなじ材質(ビニール)で
持つところまでが付着していて、便利だ。

たしかに便利なのだが、いざ、
ひと箱を取ろうとすると、あの全体を覆っているビニールを
どうやってとっていいものか。
けっきょくホッケーマスクのジェイソンのように
めちゃくちゃに掻きむしるように剥がしている。

わたしは、ああいうところに、ささやかな悪意を
感じてしまうのだが、被害妄想か。

CDなどを購入しても、似たようなラップに包まれていて、
たしかに、ここから剥きなさいのようにはなっているが、
うまくいった試しがない。

これも、けっきょくハサミの先でツーッって傷つけて
剥いている。
これは、「羊たちの沈黙」の犯人の皮剥きに似ている。

どうも世の中には、
「必要以上の過剰なもの」で溢れているのではないかと、
つくづくおもってしまうのだ。


料理にかかけないのが菜箸。

わたしは、あの菜箸の長さが好きである。
長い箸で料理を盛り付けるときの快感は筆舌につくしがたい。

だから、わたしの店では菜箸はとことん長いものを
使っているが、若い店長はそれを使いこなせない。
(かれは、ことごとくわたしの命令に忠実ではないのだ)


3、40センチくらいの菜箸は
おそらく盛り付ける仕草を美しいものにしていよう。
だが、しかし、廉価な菜箸なので、
箸の頭に細いタコ糸がついていて、あれの意味がわからないのだ。

箸に穴までついていて二本がつながっているので、
わざわざブチって切るのも忍びないし、
なにかをつまもうとすると、あれ以上箸が広がらないので、
掴みづらいときもままある。


帯に短し、たすきに長し、
しかし、どうしても必要かと言われれば、そうでもないし、
ヤクザくらいの必要悪か、といえばそんな大袈裟なものでもない。


じゃ、あの菜箸についてくる紐はなんなのだ。

切ればいいのか。

切って自由に使ったとき、あの菜箸の頭にあいている
小さな穴をどうすればいいのだ。

なにかであるはずのものをわざわざ壊して、
その残骸だけを残すなんて、
平和主義のにんげんにはつらいことなのだ。


だから、いつもは、菜箸はそのまま使って、
しぜんに切れたときは、しぜんにまかせて、
そのまま使っているのだが、
そんな消極的な生き方を、わたしはしたくないのだ。


と言って、13日の金曜日の犯人みたいに、
アナーキーな破壊行為をしたいともおもわない。


どうすればいい。