西洋皿の底をほんのちょっと斜めにする。

もちろん見た目はわからない程度に。

と、ソースをかけるような料理だとソースがすみのほうによるわけだ。

付け合わせのジャガイモやキャベツに

べつの味がしみこまずに気持ちよい、

ショウガ焼きとかハンバーグとか。

 

 

　こんなことを考えたのは

もう二〇年も前だからひょっとするとどこかで存在しているかも知れないし、

いまだ、評判を聞かないのだから名案でないのかもしれない。

 

 

　二〇年前のアイディアは、

燃えるゴミと燃えないゴミ用の二つに分別できるゴミ箱、

いま世界中どこにもある。マヨネーズの容器に入っている味噌。

ビニール袋だとだしづらいし、切り口がきたない。

が、味噌は息をしているらしく密閉はできないそうだ。

 

 

　集団暴走禁止行為、

二台以上の乗用車などがつるんでおこなう暴走行為を取り締まった法律だ。

暴走族は社会に対する責任感が皆無で、

すこぶる危険であるけれども、その暴走族の諸君にひとこと、

路線バスをシャコタンにしろよ。

五〇人くらいいっきに乗れるから一台ですむぞ。

集団暴走にならないじゃないか。運転手ひとり捕まっても、

かわりはいくらでもいるだろ。

おまけにあとづけしないでつり革もついている。どうだ。

 

　机の中が荒らされる時代があって

みんな困っていた。職場ですよ。

で、名案。開けた引き出しの中にカメラをしかけて、

開けた瞬間にフラッシュがパシャッ、

目を丸くした犯人が写るというしかけ、どう。

 

翌日、机をそうっと開けてみる。と、カメラがなくなっていた。これは、作り話。

 

 

血圧を測ると同時にプライドの高さも測定できる機械、

おれの自尊心は上が一二〇だからなって、

はかってどうすんだ、ということもあるが。

第一ボタンのない学生服、ボタンのはずれているのを注意しないですむ。

 

かかとのない革靴、かかとをつぶす必要がなくなる。

金髪、ピアス、長髪にしなくてはいけない校則、ぎゃくにまじめなやつがふえるかも。

　ボタンを押すといかなる携帯電話も爆発する装置。

学校などでは引っ張りだこ、いいか、

最後通告だぞ、はやくださないとボタン押すぞ、

みなしぶしぶ提出、ところが、ひとりくらいはそれでもしらばっくれている、

それとばかりボタンを押す、

爆音とともに右ポケットあたりが吹っ飛んでいるやつがいる。

こういうのを電車で活用すると、

携帯女たちなんかこわくってみんな電源切るって。

派手な着メロのコギャル、だれかがしのびもってきた携帯爆破装置、

もしもし、とやったその瞬間、顔の半分くらいが吹っ飛んでいたり。

名付けて携帯バスターズ。

 

　軟弱な高校生はじぶんの答案用紙の

点数のところを三角に折っている。

恥ずかしいんだね。で、考えた。折った裏側にも点数が書いてある。

え、驚く生徒はもっと小さく折る、

と、そこにまた小さく点数が書いてある。

名付けて、金太郎飴式答案用紙。略してＫ・Ｔ。

 

　発明には名前が必要だ。

斜めになっている洋皿に名前はまだない。

 

でも、しょうゆソースのにじんだポテトサラダもけっこうおいしいものだが。