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オフになる子

スキンシップの足りない子は、

どんな遊びで育ってきたかといえば、

テレビゲームによるところが大きい。

 

いまでは、矢印どおり音楽にあわせて

ステップするやつなど体力を使うものもできている。

肉体的にはじゅうにぶんの運動量だろう。

ともかくゲームがあれば、親としても手がぬけるし、

しばらくは子供もおとなしくしているので、

これ幸い、時間などをしっかり決めて、

制限時間を決めるのが肝心なんですよ、

そして子供を自由にさせるのである。

制限時間を決める行為は子供にたいする配慮はもちろんのこと、

親としての役目をじぶんは果たしているという自己確認、

もっというと「子供の親をしている」

というじぶんにたいする自己愛がふくまれる。

ちょっと話がむつかしくなったが、ただこのへんの

時期というのはもっとも

親のぬくもりを受けてもよかった時期であったに違いないのだが。

 

 子供がテレビゲームをしているとき、

よくみかける光景として、

具合が悪くなるとどうするか、

とくにロールプレイングではそうなるが、

味方が殺されそうになると、

電源を切ってしまうのである。

ちょっと手前でセービング、

つまり登録しているので、

電源そのものをすっかりオフにしてしまう方が

画面の中のわが分身は力を保っているし、

次の試合にも有利なのである。

だから子供たちはせっせと戦って、

調子悪くなると、いちどオフにして、

景気のいい時点に戻してからゲームを再開させるのだ。

 

さいきんの子供たちは、

じぶんをオフにする行為がじぶん

自身をいちばん傷つけない最良の

方策であることを知ってしまった。

 

自己防衛本能が、スイッチをオフにするという行為を

認知してしまい、機能し始めてしまった。

 

だから、人から怒られたとき、

きゅうに子供が視線の定まらないような、

のれんに腕押し、聞いているのかいないのか

わからない状態になるのは、じつは、

防衛本能の一部としてからだの

スイッチをオフにしたのである。

テレビゲームから体得したウラワザである。

 

残念ながら、子供が主体的に身につけたのは、

親のスキンシップではなく

いちまいの画面というガラスからであった。