多いもの勝ちというのが、
多数決の原則で、
もちろん民主主義の原則である。
が、はたして、さいきん、この大原則は守られているのだろうか。
職場の全員がコンピュータをもち、
それぞれネットワークを組み、
迅速かつ正確に情報交換をする、
じつに便利な時代が来たと、痛感しているのは私だけではあるまい。
ただ、この快適さには、そのシステムに
慣れるまでの苦痛がともなったことも事実である。
また 社会の情勢におされおされ、やむなく慣らされたという事情も否めない。
たとえば、100人の職場に、
コンピュータを導入し、完璧なネットワークを組むことについて
事前に紙面などでコンセツ丁寧なる説明をほどこし、
さあ、みなさん、アンケートをとりましょう、
「1 積極的に賛同する
2 時期尚早である
3 なんともいえない」なんてやる。
答えの結果に1番が多いとは、私見ながらどうしてもおもえない。
むしろ、大きな集団を動かすのは先駆的な、
あるいは、時代を把握したものの少数の人物に
ゆだねるほうが結果的にじぶんの生活システムに
合理化をきたすことを、
じつは、われわれはあっというまに経験してしまったのかもしれない。
結果オーライである。万事メデタシである。
が、民主主義の潮流はどこに流れていったのか、
それとも、もうおまえはくちをだすなよって言われているのかもしれない。