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バランス感覚と必要悪

 世の中でたいせつなのは、

均衡、バランスである。水清ければ魚すまず、

世の中もそこそこ汚れていないと生きていけない。

たとえば、やくざなんかはすこぶる重要で、

ああいう業種がないともっととんでもなく悪いことを

平気でする一般人がうようよ出現するかもしれない。

必要悪だ。つまり、必要悪というのは、

バランス感覚のもっとも急所の部分であり、

善と悪とのボーダーを指ししめす世の中のバロメータであったのだ。

この必要悪のことをレッサーイーブルといい、

許される悪はあると説いたのは、

カナダの学者、マイケル・イグナティエフである。ちなみに。

 

 ビン・ラーディンというアラブの革命家は、

じつはたいへんな政治家で、かれの権力は偉大であった。

いままで、なんどとなく大国アメリカにかすり傷程度のダメージを与え、

そのたびに合衆国から多額のドルがラービンに支払われ、

わるくいえば、アメリカは脅し取られていた。

クリントンもレーガンもカーターもラービンの意のままであった。

だから、かれのまわりの民衆は、

世界の超大国がおとなしく従っているものだから、

かれに尊敬も敬意も畏敬も、そのへんの形容できるもの

すべてを払っていた。たしかにラーディンには金があったかもしれないが、

じつのところ、ラーディンの財産の何十パーセントかは

アメリカからのお小遣いであった。

だが、ブッシュは、父のころもそうだったが、

アラブ諸国とか、北朝鮮とかには、ひどく冷たい政治姿勢で、

息子はさっさといままでの補助金を全面ストップしてしまったのだ。

ひょっとするとブッシュの家系にアラブの血が

まじっているのじゃないか、ヒトラーがユダヤ人であったのとおなじく。

 

はなしをもとにもどそう。だから、ラーディンは激怒した。

怒る方もどうかとおもうが、ともかく、激高した。

ラーディンは何度となく、

アメリカ政府にいままでどおりの軍資金を出すことを要求した。

さもなくば、たいへんなことがあなたの国で起きますよ。

いままでの、大使館の爆破、センタービルの爆破、

なんてレベルでない災難がアメリカに起こりますよ。

さあ、はやくお金だしなさい。が、ブッシュは強いアメリカの姿勢を崩さなかった。

強いアメリカを固持すれば、

おのず世界のバランスはくずれ、

必要悪はついに堪忍袋の緒を切って、

センタービルめがけて民間機を体当たりさせたのだ。

だから、犯人はすぐに誰だかわかる、

きのうまでやりとりしていた相手なのだから。

でも、このへんの事情を全世界に公表できるわけない。

そんな筋書きのうえに日本が自衛隊を派遣する。

どこまで知って出動するのか、おそらく、

すべてをふまえて出動するのであろう。

また、新しい必要悪が生まれだした瞬間である。

 

二伸

このはなしはフィックションで真実ではありませんよ、わたしの作り話です。あしからず。