心電図の日本を代表するような学会では、
心臓病の権威があつまり、
すでに病状のわかっている患者の心電図を見て、
その病気を当てるといった研究会を開いているらしい。
なんと正解率は20パーセントくらいだそうだ。
たよりないね。なんで、そんなことを知っているかというと、
その学会でえらい先生を相手にパネラーとして
全国をとびまわっている製薬会社の研究員と
知り合いだからである。彼にいわせると、
心電図で異常がわかるのはすでに末期的状況で、
そのときは、ときすでに遅しってやつ。
だから、検診車のなかにカップ麺ができるかどうかの
時間ちょっと横たわって、吸盤ぺたぺただけではまったく
病気はわからないということである。
もしわかったら、ギネス的不整脈か、心臓がとまっているか、である。
だいたい医者は、誤診も多く、
名医といわれているどこかの国立大学の教授の先生が、
わたしの誤診率は40パーセントですって、
堂々と言っちゃって、
大きな波紋がひろがったそうだ。
まわりの先生曰く、さすが先生、誤診率が少なすぎる、と。
そんなもんだから、薬の知識など医者はないにひとしい。
その研究員の彼が、肩に痛みを感じたので
病院に行って薬をもらおうとしたところ、
なんでも、痛み止めには、カルシウムブロッカーと精神ブロッカーとの
2種類に大別されるらしく、カルシウムブロッカーなら
飲もうと思ったのだと。
で、医者に訊いた、「これ、カルシウムブロッカーですか、
それとも精神ブロッカーですか」と。医者、「はぁ」。
「はぁ」じゃないだろ、だから、もういちど訊いた。
「この薬は、カルシウムブロッカーですか、
精神ブロッカーですか」って。そしたら医者はこう答えたそうだ。
「いや、そんなたいしたものではありません」