漢字っていのは5万語ぐらいあるらしい。
JISの第2水準まででも6千語ぐらいだから、
知らない漢字の多いこと。だいいち、
うみの親のおとなり中国が母国語たる漢字を捨てて、
いまでは簡略文字を採用しているんだから、
自然淘汰の原理からすると、漢字はひどくじゃまものなのだ。
3年生が、就職活動である会社を希望したのだが、
担任がその理由を訊くと、
なんでも若い社員を千人募集しているという。
まさか、と先生、募集要項みたら、「若干名」と書いてあった、
なんてはなしがあった。
大学の掲示板に「お、この仕事いいな、木曜日と土曜日しか
仕事しなくて時給もいいぞ」と騒いでいる学生がいたが、
「土木作業員」を読み間違えていたそうだ。
むかし、弓道部のキャプテン、
かれはたしか神奈川大学に進学したとおもうが、かれとの会話。
「先生、いま、ぼく、井上靖読んでいるんですよ。
敦煌を読んでるんです、先生はお読みになりましたか。」
「いや、まだだよ」
「先生あれはおもしろいです。
まだ2、3ページなんですけど。
よく、ウサギにツノっていう字がでてくるんですよ」
「え。ウサギにツノ。・・それ。
『とにかく』って読むんじゃないのか」
「あ、そうですか、むつかしい字はとばしているんです」
ま、読めない字はとばせよ。むつかしいんだから。
私ごとで恐縮だが、
奥多摩に家族で旅行に行ったとき、
旅館のお茶といっしょにおいてあったお菓子、
お茶請けには苦笑した。「山の叫び声」って書いてあるじゃないか。
食べながら、「ウォー」とか叫んじゃうんだろ。
お菓子会社もなに考えてるんだろ、
なんておもいつつ、食べたらクリームの入ったウエハースで、
なかなかおいしい。
そのあと、車で奥多摩湖まで出かけたときにまたびっくりした。
山の中腹に、畳10畳分くらいのおおきさで例の
「叫び声」の看板がでているのだ。
わたしは妻に「見ろよ、ヘンな名前だろ。
山の叫び声だってよ」と、妻の返事。
「どこが変なの、山の呼び声、の」