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摩訶不思議 中国

中国は不可思議だ。

人口もよく数えられなく、

この間の政府の調査じゃ2億人くらい多かったということだ。

一人っ子政策の反動で、

どうも2番目からの子をこっそり育てていた

ひとが億の単位でいたらしい。

国内総生産、GDPは世界第2位らしいが、

なにしろ人口もかぞえられないのに、

国全体の儲けなんか計算できない。

家計簿をつけようとおもったが、

そういえば我が家は何人いたんだろうかって考えているようなもんだ。

 

 諸民族が多民族的に団結しているのだから、

いろいろなひとが、

たぶんわれわれの常識でははかりしれない人物、

人種が存在している。たとえば馬より早い老人がいるらしい。

 

で、いてどうすんだ、ということもあるが、

とにかく馬より早い。

こんなひとがオリンピックの八00メートルなんかに

出場したら世界一位だよ、なにしろ馬より早いんだから。

第一コースからずらり、

筋肉質の黒光りした選手や八頭身のすらりとした白人が

スタート上に並ぶなか、

なんだか長いしろいひげのばした

仙人みたいのが立っている。

よーいドンで走ったら、じぃさんひょろひょろっと早いこと。

きのう見た、グリーンディスティニーという

中国映画では、修行者どうしが竹林の木のてっぺんで

剣術をしてるんだよ、それも風にゆらりゆらり

揺れる細い竹のさきに乗りながら。

あんなひとたちが、

棒高跳びに出たら、ぶっちぎりの金メダルだ。

でも、ルール知らないとバーの上にゆらゆら

立ってしまうかもしれない。

馬の老人だって、ルール教えるのに苦労するだろうし、

捕まえるのもたいへんだ、なにしろ馬より早いんだから。

 

 わたしの友人にRさんという中国のひとがいるが、

やはりちゃんと祖国のDNAを引き継いでいるんだろうね。

いっしょに中華そば屋にいったとき、

わたしが排骨麺、豚のカレー粉風味の唐揚げが

乗っているラーメンを頼み、Rさんは、

しいたけそばを注文した。出てきた排骨は4切れ、

麺のうえに乗っていた。Rさんのしいたけは、

星の数くらい無数に浮かんでいる。さあ、

いただきますか、箸を割って食べようとしたとき、

Rさん、わたしのどんぶりのなかに首をのばしてきて、

おい、その排骨とぼくのしいたけ、換えてくれ、と言った。

え、4切れしかないのに、

ま、しかたない、じゃ換えてくんなくてもいいから一切れやるよ、

と箸でRさんのどんぶりに排骨一切れほうりこんでやったら、

じゃ、しいたけって言って、

星の欠片、たった一枚を箸でわたしのどんぶりにぽちゃっといれた。

おい、おい、そんなものいらないやい、

やめてくれよ、とわたしが言うと、

じゃ涙をのんでもういちまい、と小指の爪くらいのしいたけを

わたしのどんぶりに漬けてきた。排骨と

しいたけ2枚の商談は成立した。

食べ終わってみたら、

Rさんのどんぶりにははんぶんくらいしいたけが残っていた。

 

 中国は不可思議だ。