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言葉遣い

「・・させていただきました」という言い方が多い。

「先生方の机の上に置かさせていただきました」なんて具合。

あの言い方はすこぶる慇懃ではあるが、

ぎゃくに心がこもっているとは思えない、

むしろ無礼に感じるのは私だけだろうか。

だいいち、オカサセテイタダクってワードで打つと、

「犯させていただく」しか出てこない、

つまり、「置かさせていただく」っていう日本語はないのである。

 

 日本語はむつかしいけれど、

あんまり下手にでてもよくないのである。

よく聞く校内放送に「××組の××君、職員室に来てください」とあるが、

残念ながら、あれは間違い。

 

「・・ください」というのは、

目下のものが目上のものに言うことば。

つまり、生徒から生徒への伝達なら正しい

、が、先生から生徒へのばあい、

「××君、来なさい」と丁寧語にするのが正しく、

それ以外はありえないのである。

公開試験などの試験監督マニュアルでもさいしょのかけ声は

「はじめなさい」であろう。

 

書類の「・・よろしいでしょうか」もホントは間違い。

丁寧語「です」はもとは断定の「だ」。

「です」と「だ」はおなじ。

つまり「よろしいだろうか」と「よろしいでしょうか」はおなじ。

じゃ、そこから「ろうか」を取ってみると、

「よろしいだ」になってしまう。

断定の「だ」や「です」は形容詞には接続しないという

文法の鉄則を忘れた誤用なのである。

 

では、文法的にはなにが正しいかというと、

準体助詞の「の」をいれればよい。

「よろしいのでしょうか」が正しい表現だ。

でも、「よろしいのでしょうか」と正しい表現にしてしまうと、

この「か」が疑問でなく、

反語の意味に解されそうで、ようするに、

「よろしいでしょうか」は本来とても危険な

要素をもっていたということにもなる。

 それでも、職場だけで使う、

承認を得るためのテクニカルターム(technical term)と思えばよいのかも。

 

さいきんは「なります」が通常の言語になりつつある。

ユーチューブなんかの常套句である。

 

こちらが、最新の機械になります。

おまたせいたしました。アイスコーヒーになります。

 

「なります」は変化だから、アイスコーヒーになります、

じゃ、アイスコーヒーの前はなんだったのか。

 

標準語、つまり関東言語には、あいまいな敬語がないと、

識者は語る。

 

大阪の方言なら、「です」と「ございます」の間に

なにかしらの方言があるらしい。

 

つまり、「来ました」と「いらっしゃった」のあいだに

「来はった」がある。

 

そういうあいまいな中間の敬語が発達したが、

関東エリアではそれがない。

 

アイスコーヒーです、ではすこし丁寧さがないし、

アイスコーヒーでございますではやや重い。

で、アイスコーヒーになります、が発達したらしい。

 

現象的には納得するが、わたしは古いニンゲンだから、

どうしてもなじめない。

 

アイスコーヒーになります。

 

ふーん、いつなったんですか、って聞いてしまうのだ。