ずいぶんん前のはなしだが、
停学経験者が成績優秀で単年度奨学生候補にあがったことがある。
成績も出欠席も性情もすこぶる良好、
職員会議では一点の曇るところなし、
すらりと通過、いざ、奨学生にといったとき、
だれかがふと気づいた、待てよ、
彼は以前停学になったんじゃないか、と調べたら、
案の定、1年ほどまえ、喫煙等の行為で停学になっており、
会議ではその議論はだされなかったにもかかわらず、
奨学生取り消しという決定がなされた。
取り消し決定に関しては上層部判断で一般職員に報告はなかった。
停学処分には、その処分によって生徒が反省、
心を入れかえ、まっとうな人生を歩みつづけても、
その処分をうけた者は未来永劫、
在学期間中は停学処分者というレッテルが貼られつづけるという
事実が存在する。停学2週間と処分を決定したら、
2週間経ちその生徒が日常生活に復帰したいじょう、
他の生徒となんら変わらない指導をするのが
ただしい学校教育だとおもうが、
いまのシステムは2週間経ったときから、
停学者という新生徒が誕生し生きてゆくことを強いられるのである。
それはまるで島流しの罪人に二本線の輪の入れ墨をいれるのとなんら変わらない。
停学処分を受けた後、たとえ屈託のない笑い方をしても、
彼は残念ながら停学者の笑いなのである。
もし、停学者が集合写真などにぬけるような青空みたいな笑顔で
みんなといっしょに写っていたらとする。
まかり間違っても学校案内にそんな写真を
いれようものならたいへんだ。
島流しのはいっている写真だ、
これはビッグミステイク、いまさらそいつだけ消すわけにもゆかない、
すくなくとも目だけは黒く塗るかっていう意気込みである。
だから、停学2週間という処分はやめて、
停学2週間およびその日より卒業日まで別扱い、
という処分にしたらいかが。