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名前考

 虹は五色で、書いていることの刷り直しみたいなことだけど、

ニックネームをつけることの重要性について、

けっこう我われは軽視しがちだ。

じぶんの教授法に名前があるというのもすこぶる大事で、

グリデン解法、エレガントバリエーション、

これなんかエレバリと生徒は略している、

をにば式読解法、例の方法、スパイラル古文などなど、

予備校界ではネーミングのある無しは直接人気のバロメーターになっている。

 

 さいきんはエレバリも人気が落ちたらしい。

なぜならエレガントバリエーションという

英文法のテクニカルタームがあって、

それをご本人誤解して借用しているので、

ばけのかわが剥がれてきたということだ。名前つけも慎重にしないと。

 

 わたしの娘の小学校は全校生徒一四〇名くらいの小規模校で、

じっさい小規模校なんて名前があるからイメージも悪いわけだが、

でも、全学年がいっしょになって音楽会をしたり、

緑を育てたり、だから、六年から一年まで、

みんなそれぞれ名前も顔も知っている。

もちろんすべての先生がすべての生徒を知っている。

それを校長先生はウリにしたいそうなのだが、

残念ながらこういう教育体系に名前がないのだ。

ふだんは、たてわり教育とかいっているが、

しっくりこない。なんかすてきなニックネームがあれば、

それだけで相当な宣伝効果があるのだが。

 

 体操の世界は、その技の開発者の名前が残されている。

トカチェフや塚原跳びは有名。

永遠じぶんの名前が残るのだから誇り高いだろう。

星の発見や新種の昆虫の発見にじぶんの名前をつけるのと同じように。

 

 ところが、残念でならないのはバレーボール。

日本が世界の冠たるころ、あの松平監督率いる

ジャパンチームは森田の一人時間差、

Dクイック、時間差攻撃、島岡のサーブ、

猫田の天才的トスワークなど近代バレーの大元を作ってきたのだ。

いまでは世界のだれでもがするプレーは、

日本が、松平監督が、当時の選手たちが作り上げてきたのだ。

いまじゃ、予選ブロック通過もままならぬ日本チーム、

弱体チームしか知らぬ若者はそのへんの事情も了解していない。

だから、やっぱり、一人時間差攻撃を「モリタ」と

呼ぶべきだったのだ、出ました、

アメリカ、ソーレンセンのモリタです、なんて具合に。

 

 その点、ガッツ石松はえらい、幻の右だぜ。