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リターナー

 リターナーという映画をみた。

 迫力ばつぐん。

未来から来た女の子が地球を救うという

あり得ないことが起きる。女優は、鈴木杏といったかな、

上目遣いがなかなかはまっていて、かっこうよかった。

あの目線は、じつは、ダークエンジェルで

小生意気な主人公が見せた視線とおなじベクトルで、

だから、新鮮みはないけれど。

 

一カ所だけ、コマ送りのようなシーンで

緊迫感のでるところがあったが、

あれは、プライベートライアンやエネミーラインの手法だ。

それも一カ所しかないからそこから監督の主張はよみとれない。

 

 宇宙人がでてくる、これはETのぱくりだ。

金城武はかっこよく、敵の弾をすりぬけるシーンがあるが、

なんだ、マトリックスじゃないか。

未来の地球は、へんてこなやつらに占領されていて

地球人を攻撃している。エイリアンやプレデターや

エピソード1の混合だ。そのへんてこなやつらが

あらわれる大空はんぶんくらいの大きさの円盤、

インデペンデンスデイだろ。

最後、未来少女がすーっと消えてゆく。

そこの叙情的なやり方は、まちがいなく、

ニューヨークの幻、ゴーストそのもの。

 

 ざっといちどみて、このくらいのことをおさらいできるのだから、

リターナーという映画のエネルギーはものすごい。

そのエネルギーはとりもなおさず、

昔の映画を思い起こさせるノスタルジカルであるのだから。

 

 遠足で、弁当忘れた子が

そこらじゅうかけまわっておかずを集めたら

いちばん豪華な弁当ができてしまった、

そういう感じの映画であった。