さて、持続可能な十七の項目、
SDGsが叫ばれている昨今、
食文化の関係からは、
「貧困」と「飢餓」あるいは「食品ロス」が
もんだいとなろう。そのためには、
フードテックとしての技術革新をめざし、
雇用問題を解決させながら国家としても個人、
つまりオープンイノベーションの
枠組みとしてもとりくむひつようがあろう。
世界人口の増加にともない、
食糧危機への対応がせまられている世の中であるが、
フードテックは、生産、加工、流通、調理、消費などの
食文化の新たなビジネスモデルを支える技術であり、
食糧危機への足掛かりとなるだろう。
ただ、ざんねんながらわが国はフードテックに
対する関心がうすく米国の一パーセントほどの
予算しか計上されていないのが現状である。
フードテックとして、まず、食品の生産、
開発分野で導入され、栄養バランスよく配合した完全食や、
代替肉の開発などがあげられる。
もちろん「ヘルスケア」の分野とも綿密である。
フードテックの具体例として、
ひとつは「ミラクルミート」のような大豆食品の開発、
昆虫のお菓子、盛り付けロボットのような
調理ロボット、水産代替飼料の開発、などが挙げられる。
そのためには食についての多様で深い理解を意味する
「フードリテラシー」という考え方が、
注目されている。前述の人口増加による食糧危機、
気候変動による不作、
人材不足などの問題を抱えるなか、
安定した食糧生産をめざさなくてはならない。
また、そのためにフードリテラシーを各人がもつことも重要だ。
フードリテラシーは、単に栄養の知識だけでなく、
食物がどこから来るのかを知ったり、
食物を選び調理する能力や、食事ガイドラインに適合した
食事をする能力までを理解したりする、
スキルや行動も含むものと考えられる。
また、雇用問題にもかかわるが、
スマート調理家電の導入や、調理ロボットなどの
導入も看過できない。あるいは、
冷凍保存の技術の進歩も見逃せない。
質のいい食品を提供できる反面、
いままで魚類を好まなかった外国にも
新鮮な魚が供給されるようになり、
ぎゃくに日本国内に魚類の提供が希薄に
なっているという現状も考量しなくてはならないだろう。
SDGsとのかかわりでは、
飢餓をゼロに、すべての人に健康と福祉を、
という問題がのこる。また、
「つくる責任、つかう責任」という食品ロスも
研究対象である。そのうえ、
食料生産にともなう環境負荷の低減も目標となる。
とくに日本ではフードリテラシーの研究が遅れており、
欧米なみにその研究がすすむことを
ねがうものである。
SDGsとフードテックのかかわりは
このように多岐にわたって存在するのである。
つづく