Menu

お得なアプリでクーポンGet!

店舗案内

谷川萌々子の話から

 谷川 萌々子というサッカー選手は

若干19歳の新鋭ではあるが、

ドイツ、バイエルン・ミュンヘンで

活躍している。

 

 そのシュート力、ボールのキープ力は

幼少のころからかなり有名で、

YouTubeでは、よく登場していて、

これからの日本をけん引してゆく

選手であることは間違いないことだ。

 

 そのYouTube動画を見れば、

遠くのところからのシュート、

また、フリーキックからのゴールと

見事というほかない映像がながれてくる。

 

 その映像では、

ミラクルなシュートのあとの

仲間たちの喜びよう、

ひとりは両手を挙げ、ひとりは飛行機のようなカタチになり、

みな、谷川選手のもとに駆けよってくる。

そして、おしくらまんじゅうのように

チームがひと塊になって喜び合うのだ。

 

 ロスタイムのわずかな時間に

彼女はゴール前、三人のディフェンダーを

するするかわし、アシストして一点を

もぎとった。

そのときの、メンバーの欣喜雀躍、

とびはねるようにゴールした選手ではなく、

みなが、谷川のもとに駆けよっていった映像は

なかなか見ごたえがあった。

 

 映像は、そうやって

成功した仲間たちにクローズアップするのだが、

わたしは、得点を与えてしまった

敵チームの顔や表情も写しだしてほしいと

願うのだ。

 

そこに人生の縮図があるからだ。

 

ひとは、「やられた」ときにどういう

表情をするのか、そこに、そのひとの人格が

滲みでるのではないかとおもう。

 

だれしも失敗はする。間違う。目測をあやまる。

 

 そのとき、ひとはどうするのか。

 

内田樹というひとが言っていたが、

「わたしが間違っていました、

という宣言を彼の愚鈍さの表明ではなく、

知性のあかしを示す習慣が

日本にはない」と語ったが、

とくにわが国は、ミス、間違いを

ひどくはずかしいものとおもう

習性があるのかもしれない。

 

 やはり、わたしたちは、

知性的に生きるためには、

まちがったとき、どういう表情をするのか、

そのことをいまのうちから

学んでおくことが肝要なのではないだろうか。

 

 そして、勇気をもって前進だ。

オフ・サイドを気にせずに。